「感じとる力」をつけるならピラティスが効果的! 感じとる力がもたらすものとは?

ピラティス

ピラティスは「感覚」を感じとるワーク

皆さんは、ピラティスにどんなイメージをお持ちですか?

「ピラティス」と聞くと、「腹筋を鍛える運動をするんでしょ?」、「身体を引き締める運動だよね?」、「身体を良くするリハビリだって聞いたことある」という認識はお持ちかもしれませんが、「感覚を感じとるワーク」であることはご存じだったでしょうか。

今回のブログでは、「感覚を感じとる力をつけるために、なぜピラティスが有効なのか」、「感覚を感じとる力がついてくると何に良いのか」をご説明していきます。 ここの理解が繋がってくると、ピラティスがさらに楽しく、効果的に行えるようになっていきます。ぜひ最後までご覧ください。

そもそも感覚って何?

私たちは、普段生活をしている時に何気なく感覚を感じ取っています。朝目覚めると光を感じ、人の話を聞くために音を感じ、ご飯を食べる時に味を感じています。感覚があるからこそ、周りや自分の状態に気づき、状況把握ができることで身の危険を回避して安全に生活を送ることができます。生きていく上で、感覚はなくてはならないものです。

感覚は、ある刺激に対して、対応したセンサー(感覚受容器)でしか刺激を受け取れない性質があります。

例えば、
▶︎光刺激に対しては、光の受容器(目のセンサー)から受け取り視覚情報として伝えられ、
▶︎音刺激に対しては、音の受容器(耳のセンサー)から受け取り聴覚情報として伝えられ、
▶︎味刺激に対しては、味の受容器(舌のセンサー)から受け取り味覚情報として伝えられます。

感覚は、センサー(受容器)ごとに分類することができます。大きく分けると、特殊感覚、体性感覚、内臓感覚の3つです。

▶︎特殊感覚とは…
視覚、聴覚、平衡感覚、嗅覚、味覚のことで、センサー(感覚受容器)が全て顔にあります。
▶︎体性感覚とは…
触覚、圧覚、温冷覚、痛覚、かゆみなどでセンサーが皮膚にある皮膚感覚(表在感覚)と、
振動覚、位置覚、運動覚、深部痛覚などでセンサーが関節、筋肉、腱などにある深部感覚があります。
▶︎内臓感覚とは…
空腹感、満腹感、尿意、便意などの臓器感覚と、
内臓の痛みなどの内臓痛覚があり、センサーは内臓にあります。

このうち、ピラティスに大きく関わってくる感覚が…
視覚、聴覚、平衡感覚、触覚、圧覚、位置覚、運動覚、筋覚、痛覚
です。

▶︎視覚 … 自身の姿勢や動きを直接 or 鏡を使って見る。トレーナーのビジュアルキューイング(お手本)を見る。
▶︎聴覚 … トレーナーのバーバルキューイング(声かけ)を聴く。
▶︎平衡感覚へいこうかんかく … 頭(耳)の動きで身体のバランスを感じとる。
▶︎触覚しょっかく圧覚あっかく … 自身の身体が触れる感覚を感じとる。重心や荷重の圧の感覚を感じとる。トレーナーのタクタイルキューイング(接触や誘導)を感じとる。
▶︎位置覚 … 各関節(骨)自体で、その関節の位置を感じとる。トレーナーのイメージキューイング(想像や例え)、タクタイルキューイング(接触や誘導)によって間接的に位置を感じとる。
▶︎運動覚 … 各関節(骨)自体で、その関節の動きを感じとる。
▶︎筋覚きんかく(筋感覚) … 筋肉を使う感覚、筋肉が伸びる感覚など、筋肉の感覚を感じとる。
▶︎痛覚つうかく … 負担のかかる姿勢や動きをすると、関節や筋肉などで痛みを感じとる。逆に、動きが上手に出来て筋肉がしっかり使われている場合も、筋肉で痛みを感じとる。

▶︎視覚 … センサーは眼の網膜。光の明暗、色、形を受け取る。
▶︎聴覚 … センサーは耳の
蝸牛かぎゅうのコルチ器。音を受け取る。
▶︎平衡感覚 … センサーは耳の
耳石器じせきき三半規管さんはんきかん。耳石器は重力や直線加速度を受け取る。 耳石器には卵形嚢らんけんのう球形嚢きゅうけいのうがあり、卵形嚢では水平方向[前後左右]を、球形嚢では垂直方向[上下]を受け取る。 三半規管には、前半規管ぜんはんきかん外側半規管がいそくはんきかん後半規管こうはんきかんがあり、回転加速度を受け取る。
▶︎触覚・圧覚 … センサーは全身の皮膚。触れる感覚、圧力の感覚を受け取る。
▶︎位置覚 … センサーは関節、筋肉、腱、靭帯。関節がどこに位置しているのかを受け取る。
▶︎運動覚 … センサーは関節、筋肉、腱、靭帯。関節がどんな動きをしているのかを感じとる。
▶︎筋覚(筋感覚) … センサーは筋肉、腱、靭帯。筋肉を使う感覚、筋肉が伸びる感覚、身体にかかる重さ(重量)の感覚、身体にかかる抵抗の感覚を受け取る。
▶︎痛覚 … センサーは皮膚、筋肉、腱、靭帯、関節包、骨膜、筋膜、内臓。痛みの感覚を受け取る。

感覚に関して、イメージ・理解が出来たでしょうか。ピラティスで動く際も、これらの感覚を感じとることによって、自分や周りの状況を把握して、上手く動けているのかを判断しています。

5つの型とピラティスムーブメント

このあとは、ピラティスで感覚を感じとる力をつけるために、どのようなことをすれば良いのかについてお話していきます。

ただ、本題に入る前に…
事前知識がある方が、この後の話が理解しやすくなりますので、前回ブログをまだご覧になっていない方は先にご覧ください。

前回ブログ ⇒ ピラティスを実践していく上で重要な「5つの型」について

5つの型《①目標、②現状、③実行、④判定、⑤予測》はイメージ・理解出来ましたか? それでは、5つの型にピラティスムーブメントの『ダウンストレッチ』を当てはめていきましょう。

《ダウンストレッチとは?》
リフォーマーの上に膝立ち姿勢で乗り、キャリッジ(台)を前後に動かすピラティスムーブメント。台が後方に動く際に腰が反りやすくなる。その腰の反りを反らないように制御することで、お腹引き締め効果、反り腰改善の効果が期待できる。

5つの型に当てはめていくと…
①目標
骨盤をニュートラルポジションで保つ(腰もニュートラルで保つ)
②現状
キャリッジ(台)が後方にさがる程、骨盤が前傾してしまう(腰が反ってしまう)
③実行
骨盤ニュートラルの姿勢を保つために、骨盤を後傾するように脳から命令を送る(腰を丸める方向に操作する)
④判定
感覚を頼りにして、①が達成できたか、達成できなかったかを判定する
▶︎(判定1)目の視覚によって、骨盤のニュートラルを保てているか、いないかを判定する
▶︎(判定2)骨盤の位置覚によって、骨盤のニュートラル位置を保てているか、いないかを判定する
▶︎(判定3)お腹の筋覚によって、骨盤のニュートラルポジションを制御できているか、いないかを判定する
⑤予測
キャリッジ(台)を後方に遠ざける程、骨盤は前傾しやすくなるため、それを予測して事前に骨盤後傾の操作をしておく

となります。
このような過程を経ることで、ピラティスムーブメントのコントロールが上手に出来るようになっていきます。

感覚を感じるために、なぜピラティスが有効なのか?

いよいよ、ここから本題です。

「感覚を感じとる」力をつけるために、なぜピラティスが有効なのでしょうか…?

それは、④の型で「感覚を感じとることによって①が達成しているのかを判定」しているからです。 何度も「感覚を感じとり判定」を繰り返していくことで、感じとる力が養われていきます。

④感覚を感じとる力が高まってくると、②現状に気づけるようになります(身体のクセに気付けるようになります)。現状が把握できると、③身体操作をどのように実行すれば良いのかがわかってきます。

そして、③実行(アウトプット)と④感覚を感じとる(インプット)を何度も繰り返していくことで、③運動神経と④感覚神経の精度が高まり、ピラティスムーブメントを上手にコントロールできるようになっていきます。そして、ムーブメントのコントロールが上手くなると、さらに感覚を感じとる力の精度が上がってくるという原理です。一度良い循環(ループ)に入れると、どんどん上手くなり、感じとる力もついてきます。

様々なピラティスムーブメントを繰り返して行い、感覚を感じとる力がついてくると、負担のかかりにくい姿勢や動きが身につき不調や痛みが改善日常動作やスポーツパフォーマンスの質が向上などの効果をもたらしてくれます。

感覚を感じとるコツは…?

様々な面で大事になってくる「感覚を感じとる」力ですが、どのようにすれば感覚を感じとれるようになるのでしょうか?

感覚を感じとるコツ…

それは、 意識を向ける方向を定める ことです。

ただ闇雲に繰り返していても、なかなか感覚を感じとる力は上がっていきません。感覚を養うためには、「意識を向ける」方向を定めて、そこに集中することが大切になってきます。下記の3つの部分に意識を向けると、感覚を受け取る感度が高まり刺激に気付けるようになります。

④の型は『感覚を感じとることによって、判定する』という型でした。この④の型を3つに分解していくと、意識を向ける方向が定まってきます。
▶︎④-1の型『センサーはどこ?』
感覚を受け取るセンサーはどこにあるか?
▶︎④-2の型『どんな感覚?』
そのセンサーはどんな種類の感覚を受け取るか?
▶︎④-3の型『どう判定する?』
そのセンサーから受け取った情報によって、脳が状態を認識して、①が出来ている or 出来ていないを判定する

上記ムーブメント(ダウンストレッチ)の場合、
▶︎①目標は?⇒ 骨盤をニュートラルで保つ
▶︎④-1 センサーどこ?⇒
▶︎④-2 どんな感覚?⇒ 視覚(見る感覚)
▶︎④-3 どう判定?⇒ 骨盤の傾きが…
 ➡︎ ⚪︎ ニュートラルの情報から、骨盤がニュートラルを保てているので、①は出来ている
 ➡︎ × 前に傾いている情報から、骨盤が前傾しているので、①は出来ていない
 ➡︎ × 後ろに傾いている情報から、骨盤が後傾しているので、①は出来ていない
と脳が判定しています。

つまり、意識を向ける方向を、④-1目に意識を集中して、④-2見る感覚に意識を集中して、④-3骨盤の傾きがどうなっているかに意識を集中することで、感覚が感じとりやすくなり、正確な判定ができるようになっていくということです。

さらに、1つの感覚だけで判定するのではなく、複数の感覚を組み合わせながら判定を行なっていくことでも、感覚を感じとる力は養われていき、判定精度も上がっていきます。

ぜひ皆さんも意識を集中する方向を定めて、様々な感覚に気づけるように、ピラティスワークを実践してみてください!

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