今回は、実際にスタジオにご来店いただいたメンバーさんがピラティスでどのように変化していったのかをお伝えします。今回ご紹介する考え方・ワークが、膝痛でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
※ 膝痛には様々な原因が考えられます。原因が異なる場合は今回ご紹介するワークを実施することで、逆効果になることもございます。ご自身の状態を把握してから実施してください。
日常生活時の膝外側の痛みが気にならなくなった!
2025年春、ひざ痛でスタジオにご来店いただいたAさんのお話です。2021年頃から正座をすると右膝外側に違和感や痛み(痛み度合い2/10くらい)が出るようになりました。2025年からは日常生活の時でも常に、毎日鈍痛(痛み度合い4/10くらい)が続くようになり、治療院でのマッサージ施術、日頃のストレッチやお風呂などのケアでも改善がみられない状態でした。
当スタジオで、カウンセリングやアセスメントを行い身体の状態を確認したところ・・・
▶太ももが内にねじられ膝が内側を向く(大腿内旋)
▶脛の骨が外にねじられつま先が外側を向く(下腿外旋)
▶︎足のアーチが落ちやすい(足部過回内)
▶歩行時や日常動作時も大腿(=もも)や下腿(=すね)のねじれ現象が生じている(ニーイントゥーアウト)
などの身体のクセがある事がわかり、長年のクセによって膝痛が引き起こされている可能性がみえてきました[写真1]。

また、このような身体のクセがある事をAさんにお伝えしてから、Aさんご自身でも日常生活時のクセに気づけるようになり、意識を向けられるようになってきました。
そのような日頃の気づき + スタジオでのピラティス実施 + 自宅での3つのエクササイズ実施を継続後、1か月経ったくらいで膝痛の頻度は減少して、2か月過ぎた頃には膝痛はほぼ出なくなりました。
【Aさんからのメッセージ】
昨夜、寝る前に気づいたのですが、右膝外側の痛みがなかったのです!!!!!
えーーー!?
お風呂上がりだからかな…と思ってましたが
翌朝起きても右膝の外側の痛みがありませんでした
朝、「治った治った!」と上機嫌で調子に乗っていたら、台所のシンク下のところに鍋をしまおうとしゃがんだら、その瞬間また右膝外側が痛くなりました
が、良い兆候です
ピラティス効果すごいですね

常に痛かった右膝外側ですが、最近は痛くないかも・・・と存在を忘れることも…
いつもありがとうございます

長時間、正座を続けると痛みが出てしまう・・・
その後も日常生活では膝痛が出ることはほとんどなくなり、良い状態を維持できるようになってきました。
しかし、長い時間正座を続けると痛みが出てしまうことがあり、正座の姿勢によって膝へ負担が生じている状況が考えられました。
そこで、セッション時に実際に正座姿勢をしていただき、注意深く観察していくと・・・
正座姿勢時にいくつかの特徴(身体のクセ)がみられました。
正座による痛みの原因はこれだった
正座姿勢にもいくつかのクセがみられ、膝に負担がかかりやすい状態を自らつくりだしている可能性がみえてきました。 そのクセとは・・・?[写真2、3]
正座をしている時に…
▶︎股関節が内旋しやすい
▶︎左に乗りやすい
▶︎骨盤が右上がりやすく左下がりやすい
▶︎胸郭(胸椎+肋骨+胸骨)は左スライドしやすい
▶︎胸椎は右に倒しやすい
▶︎肩甲骨が左上がりやすく右下がりやすい


また、正座姿勢中に脱力すると多くの方が骨盤が丸まりやすく(後傾しやすく)なります[写真4]。骨盤を立てた良い姿勢を取り続ける(ニュートラルを保つ)ためには、骨盤を起こす筋肉(腸腰筋)に小さな力が適時入ることが必要になってきます[写真5]。


腸腰筋とは、腸骨筋 + 大腰筋(+ 小腰筋 )の総称で、股関節を折り曲げる筋肉(屈曲する筋肉=屈筋)に分類されます。股関節屈筋が働くと、モモ上げのような脚を上げる動きや、骨盤を起こす動きをすることができます。そのようなことから、正座をする際にも、骨盤の傾きを調整するために股関節屈筋である腸腰筋が働いていることが分かります[写真6]。

しかし、Aさんはモモが内回旋している状態で骨盤を起こすような正座姿勢を取り続けています = 股関節内旋筋+屈曲筋 を使い続けています[写真7]。

Aさんのように股関節内旋位で屈曲をすると腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)よりも、大腿筋膜張筋が多く使われやすくなります。大腿筋膜張筋は腸脛靭帯を介して膝の外側に付着しますので、正座時にその大腿筋膜張筋を長時間使い続けることで、膝外側に負担がかかって痛みにつながった可能性が考えられます[写真8、動画1、2]。

【Aさんのからのメッセージ】
藤森さんアドバイスの正座の仕方をしたら、なんか良い感じでした。
いつもなら正座をすると5分くらいで、右膝の外側が痛くなってくるのですが、今日はその正座の仕方だと痛くなってこなかったです。
まだ正座できそうでしたが、今日は無理をせずやめておきました。
右膝外側は痛くならなかったのですが、正座をした後は、右足が重くて違和感がありましたが…
良い兆候で、嬉しいです。
教えて頂いたピラティス3種ですが、毎日やっています。

最近右膝の調子が良いので、正座できそうと思い、挑戦してみました。
結構長い時間できて、2.3時間正座できました。まだまだできそうでしたが、少し右膝に違和感が出てきたので、無理しないでやめました。
私が長年膝を痛めて正座できないのを知っているので、皆に驚かれました。
そして、ピラティスを始めたことを話すと、「そのトレーナー、すごくない?私も行きたい!」と皆、興味津々でした。私がいろんな病院に行って、いろんなトレーニングをしても一向に改善しなかったのを知っているからです。
長年、良くなる兆しがなくちょっと諦め気味でしたが、正座ができてすごく嬉しかったです!

実際に行っているピラティス・エクササイズワークの例
正座時に生じていたクセを改善するために、Aさんが実施していたワークをご紹介します。動きにくい関節部分の動きを引き出す目的がありますので、動きにくい側を多く実施しています(動画3~7)。
今回ご紹介したように、ピラティスムーブメントを実践することで動きのクセが改善しやすくなっていきます。動きのクセが改善されると、正座姿勢も自然と負担のかかりにくい状態になり、膝の痛み緩和へとつながっていきます。
お身体の違和感や痛みなどの症状にのみアプローチしていても症状はなかなか改善しない場合が多いです。症状を生みだしている原因に対しても同時にアプローチしていくことが大切です。ぜひ、皆さんも根本解決のためにピラティスを取り入れてみてください!
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